横山 麻衣「太陽の影で」

5月
10 Sat 2025
個展

この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは2025年5月10日(土)より、弊廊では初となる横山麻衣による個展「太陽の影で」を開催いたします。

iPadのお絵かきアプリで描いたデジタルデータの元絵を、油絵の具と筆というアナログな手法を使ってキャンバス上に「出力」するように描いていく横山麻衣。

デジタルからアナログへの変換に伴って生じるギャップは、度々作家の予測を超えてきます。
その中でも横山にとって、特に「色」は大きなテーマの一つです。
アナログの減法混色では再現が不可能な、デジタルの加法混色で作った色彩へのアプローチは、横山がこれまで意欲的に取り組んできた事ですが、昨年のイタリアで滞在し制作をした経験は、そこにヨーロッパと日本の「太陽、光、炎」の眩しさと暗さのギャップという、横山にとって新たな課題と向き合うきっかけになりました。

今回の個展では、色を光によってもたらされるものとして、デジタルの光による「色」と、アナログの日本の光による「色」、そして同じくアナログのイタリアの光による「色」のトライアングルを行き来しながら、新たな課題と向き合い制作した新作を発表いたします。

この機会に是非ご高覧下さい。

「太陽の影で」

昨年の今頃はイタリアに滞在していた。
初夏に訪れたシチリアの太陽の激しさと、それによってもたらされる青黒い陰影は、すべての遺跡の稜線をくっきりと浮かび上がらせていた。

白飛びするほど太陽が降り注いでいるのに、石造りの建物に一歩立ち入ると肌寒く、そして驚くほど暗い。
崩れた壁から差し込む陽光を反射して白くはげた彫刻がぼんやりと発光している。

初夏のイタリアでは、夜遅くまで陽が落ちない。
しかし暮れると家の照明は暗く、絵を描くには明るさが足りないので、夜半過ぎにはきっぱりと眠ることにしていた。
明かりの飽和した東京の昼も夜もない生活とはかけ離れて、光を頼りに正しく寝起きしていたと思う。

明かりがなければ何も立ち行かないこの世界で、教会の壁には地獄の炎がごうごうと燃えていた。
この旅を経てわたしは光の二面性を感じ、この土地の太陽、炎、そして光について描かずにはいられなかった。

横山 麻衣

【開催概要】

横山 麻衣 | Mai Yokoyama
「太陽の影で」

会期:2025年5月10日(土) 〜 5月25日(日)
営業時間:12:00〜19:00
休廊:月曜日、火曜日

〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1−32−17
TEL 03-5726-9985
Mail info@katsuya-susuki-gallery.com
HP  https://katsuya-susuki-gallery.com
東急東横線「都立大学駅」より徒歩5分

横山 麻衣 | Mai Yokoyama

―Biography
1989 
神奈川生まれ
2018 
東京藝術大学大学院美術研究科 絵画専攻版画領域 博士後期課程 修了

―Recent Solo Exhibition
2023
「隱山 / Hidden mountain」伊日藝術計劃 YIRI ARTS / 台湾
「薄っぺらな魂」Sundries / 東京
2022
「風が吹く、海が揺れる、波が立つ」HARMAS GALLERY / 東京
2019
「[E-CUS project] 代官山地下グルメ街 #02 MAI YOKOYAMA」 代官山地下グルメ街 / 東京
2016
「SPARKLE」 寺町美術館&Gallery / 東京
「[E-CUS project] cotton #07 MAI YOKOYAMA」 cotton / 埼玉

―Recent Group Exhibition
2024
「Art Squiggle Yokohama 2024」横浜山下ふ頭 / 神奈川
「マイナビアートコレクション展 -visionary-」MYNAVI ART SQUARE / 東京
「2024 MITSUKOSHI ART Selection」日本橋三越本店 / 東京
2023
「工作の日」Gallery Blue 3143 / 東京
「出張モノローグス#2」GASBON METABOLISM / 山梨
2022
「There is a ghost in the room」TENSHADAI / 京都
「conversation」haku kyoto / 京都
「TOKYO NIGHTS vol.4」BLOCKHOUSE Gallery / 東京
「青森の女性作家たち」GALLERY CRADLE / 青森
2021
「UNLOGICAL 02」 MONO.LOGUES / 東京
「視線のあらわれ」 HARMAS GALLERY / 東京
「FACE展2021 損保ジャパン日本興亜美術賞展」 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 / 東京
2020
「FACE選抜作家小品展」 REIJINSHA GALLERY / 東京
「MITSUKOSHI×東京藝術大学 夏の芸術祭 2020 次代を担う若手作家作品展」 三越日本橋本店 / 東京
「FACE展2020 損保ジャパン日本興亜美術賞展」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館 / 東京
「AIRS企画vol.6 / あおもりリモートアートフェスティバル2020」 オンライン

―Recent Art Fair
2024 「Art Fair Asia Fukuoka 2024」(春風洞画廊) 福岡国際センター / 福岡
2022 「ART TAIPEI 2022」(YIRI ARTS) 台北世界貿易中心 / 台湾
2021 「DELTA2021」(HARMAS GALLERY) シーサイドスタジオCASO / 大阪

―Artist in residence program
2023 伊勢市クリエイターズ・ワーケーション / 三重
2022 南島原市アートビレッジ・シラキノ・レジデンス / 長崎

―Art Project
2020- Sign Object Project 各地

―Awards
2021
FACE 2021 損保ジャパン日本興亜美術賞 審査員特別賞
2020
FACE 2020 損保ジャパン日本興亜美術賞(2016、2020 入選)
2019
シェル美術賞2019 入選
2013
東京藝術大学大学美術館買上げ賞
O氏記念賞
2012
町田市立国際版画美術館収蔵賞
上野芸友賞

―Public Collection
南島原市、東京藝術大学美術館、町田市国際版画美術館

シチリアの神殿に遺る巨大な男性像(テラモン)をモチーフに制作した。太陽に向かって全身を曝け出し続ける姿がシチリアの強烈な日差しと相まって強く印象に残った。

このテラモンはシチリア、アグリジェントの神殿の谷にあるオリンピア・ゼウス神殿の一部で、一般的な建築用語ではアトラスと呼ばれる8m弱の巨大な男性像。アトラスはギリシャ神話でゼウスに負けて天を支える罰を与えられているとされ、この像も神殿の柱で建物の上部構造を支えるかのように配置されていた。紀元前400年ごろに未完成のまま放棄された神殿と共に1800年代に発掘され、現在では石の断片となっていた像の姿が復元されている。

「黒い日差しと天を支える巨人」
oil on canvas 162.0 × 112.0 cm 2025

2024年5月10日に発生した太陽フレアの影響でイタリアや日本などの低緯度の地域からもオーロラが観測された。

「May 10 2024」oil on canvas
33.3 × 53.0 cm 2025