寺本 明志「寝癖をたなびかせて」

11月
1 Sat 2025
個展

この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは、2025年11月1日(土)より、弊廊では2回目となる寺本明志による個展「寝癖をたなびかせて」を開催いたします。

内側と外側、現実と想像の境界を越えた場を「Patio」として、社会と個人のあいだに生まれる関係を絵画を通して探り続けてきた寺本明志ですが、前回の弊廊での個展「単位のレシピ」、そして自宅にアトリエスペースを作るなど、自身の環境の変化をきっかけに、 「Patio」 が決して超越した場ではなく、世界そして社会と繋がっていると考えるようになり、「Patio」の位置付けに変化が出てきたと言います。

絵画は、朝の光を浴び、夜の風を受けながら変化を続け、社会と個人のあいだをたゆたう存在として息づき、寺本にとって絵を描くことは、世界と地続きであることを確かめる行為であり、日常に潜む“存在の意義”を見つめ直す試みでもあります。
タイトルにある「寝癖をたなびかせて」という言葉には、ありのままの自分で、社会の中へ一歩を踏み出す軽やかな決意が込められています。
自宅での日々の中から生まれた新作を中心に構成する本展「寝癖をたなびかせて」。
この機会に是非ご高覧下さい。

寝癖をたなびかせて

「絵と社会が地続きであること。」
その実感がわいたことを察知したのか、僕は自宅にアトリエを準備した。
長らく、家で絵を描く必要性がなかったというのに。
家に並ぶ絵は朝の光を浴び、夜の風を受けて、同じ姿を保たない。
それは前に進むための歩幅を見定めるようにも見えた。
ああ、こういうことか。
朝起きて、なりふり構わず、玄関に足を向けてみる。

歩むたび、耳元で寝癖がたなびく。

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近年、Patio(中庭)を、外と内の境界がない中立的な場としてとらえている。そこでは、もの・動物・人が役割に縛られず、すべて等しい存在として描かれている。統一性のない要素が共存することで、社会的な立場を離れた「存在の意義」を問い直している。
本展では、自宅で過ごす生活の中で描いた作品を展示している。それは非常に個人的な作品群と言える。Patioというテーマで描き始めた当初は、そこにどのような可能性があるのかを探りながら、さまざまなものを並べたときに生まれる関係を、絵画を通して検証する作業だった。2024年の個展「単位のレシピ」(KATSUYA SUSUKI GALLERY)を契機に、しだいに社会との関わり方や、社会に向けての絵画のあり方を探る方向へと変化している。Patioの世界は、絵画の中だけに閉じたものではなく、この世界と地続きの場であったのだ。この極めて個人的な作品群は、社会と個人の接点を改めて確認する試みでもある。自宅という出発点から、寝癖のついたままの自分で一歩ずつ前に歩む感覚を心に留めるように。

寺本 明志 | Teramoto Akashi
「寝癖をたなびかせて」

会期:2025/11/1(土) 〜 11/16(日)
営業時間:12:00 〜 19:00
休廊:月・火 ※11/3(月・祝)はオープン

〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1−32−17
TEL 03-5726-9985
Mail info@katsuya-susuki-gallery.com
HP  https://katsuya-susuki-gallery.com
東急東横線「都立大学駅」より徒歩5分

寺本 明志 TERAMOATO AKASHI

1992 神奈川県生まれ
2015 福沢一郎賞 受賞
2017 多摩美術大学大学院 博士前期課程美術研究科 絵画専攻油画研究領域 修了
2020 FACE展2020 損保ジャパン日本興亜美術賞展 入選
2021 清須市第10回はるひ絵画トリエンナーレ 審査員賞【吉澤美香】 受賞
2021 シェル美術賞2021 入選
2024 FACE展2024 損保ジャパン日本興亜美術賞展 入選

【近年の主な展示・活動歴】
2018-2021 「多摩美術大学助手展」 〔八王子〕
2020 「FACE展2020」(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)〔新宿〕
2021 「Art space Kaikas’ meeting」(Art space Kaikas’)〔相模原〕
2021 「清須市第10回はるひ絵画トリエンナーレ」(清須市立はるひ美術館)〔清洲〕
2021 「Art space Kaikas’ market」(Art space Kaikas’)〔相模原〕
2021 「犬も歩けば棒にあたる」(Art space Kaikas’)〔相模原〕
2021 「シェル美術賞2021」(国立新美術館)〔六本木〕
2022 「ゾンビのいる絵展」(スペースくらげ)〔東林間〕
2022 個展「Patio」(Bambinart Galery)〔千代田区〕
2022 「隣り合わせ」(KATSUYA SUSUKI GALLERY)〔目黒区〕
2022 「In search of others」(KOTARO NUKAGA)〔天王洲〕
2022 「Ballet meets Art」(KATSUYA SUSUKI GALLERY)〔目黒区〕
2022 個展「冒険と選択」(清須市はるひ美術館)〔愛知県〕
2022 個展「覗いた海」(Art Bar & Guesthouse ennova)〔熱海〕
2023 「隙間の掻き傷」(Penguin’s House Green)〔相模原〕
2023 「LITTLE SHOP OF ZINES & COFFEE at 江の島」(Galery & Cafe Gigi)〔神奈川県〕
2023 個展「鳥かごを抜ける水」(コートギャラリー国立)〔国立〕
2023 「ART SESSION SUMMER」(銀座蔦谷書店)〔銀座〕
2023 「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2023」(マリンメッセ福岡)〔福岡〕
2023 個展「花の背を見るとき」(N project)〔大阪府〕
2024 「Artists’ smal market for Noto」〔Online〕
2024 「Elsewhere」(大福ストア)〔高田馬場〕
2024 個展 「単位のレシピ」(KATSUYA SUSUKI GALLERY)〔目黒区〕
2024 「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2024」(福岡国際センター)〔福岡〕
2024 「翌日を待つとき」(PARK8)〔八王子〕
2024 個展「棚に並ぶほしたち」(迂回ハウス)〔大田区〕
2025 「no man’s land」(SOM GALLERY)〔中央区〕
2025 「ゴミと鉛筆とアート」(UNKMOWN HARAJUKU)〔渋谷区〕
2025 「見せるエゴ、見させないエゴ」(空家/二人)〔大田区〕
2025 「高松芸術港」(高松シンボルタワー)〔香川県〕
2025 「アートの本屋「メイテン」」(フジサワ名店ビル)〔藤沢市〕
2025 個展「優しい災難」(コートギャラリー国立)〔国立市〕
2025 「美作三湯芸術温度2025」(リゾートイン湯郷)〔岡山県〕
2025 多摩美術大学90周年多摩美術大学創立90周年記念事業
2025 「Tamabi Beyond, at the 90th Anniversary」(多摩美術大学・八王子)〔八王子市〕
2025 個展 「寝癖をたなびかせて」(KATSUYA SUSUKI GALLERY)〔目黒区〕

関連スケジュール