山口 達典 個展「 my collaborator 」

8月
31 Sat 2024
個展

この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは2024年8月31日(土)より、山口達典による弊廊で初となる個展「my collaborator 」を開催いたします。

昨今のAI技術の加速度的な進化と普及のスピードは、私たちの社会生活に様々な影響を与えることが予想されています。
それは医療や教育、そして様々な産業分野で普及することで、豊かで便利な生活への期待を寄せられる一方で、AIが人間にとって代わり、多くの人々から仕事を奪ってしまうのではないかという懸念の声も上がるなど、功罪様々に論じられています。

AIと人間との関係をテーマに作品を制作する山口は、これまで主に人工知能やロボットとの対話により「人間とは何か」を描くシリーズや、AIを利用して自身の絵画作品を拡張するシリーズを発表してきました。

現在、AIを使った画像は様々に世の中に出てきていますが、その可能性はまだまだあると山口は言います。
今回の個展では、AIを利用して自身の絵画作品の拡張するシリーズを通して、AI技術の更なる可能性を追求します。

より深い地点でのAIと芸術の邂逅を、この機会に是非ご高覧下さい。

【開催概要】


山口 達典 | Tatsunori Yamaguchi
「 my collaborator 」

会期:2024年8月31日(土) 〜 9月8日(日)
営業時間:11:00〜19:00

〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1−32−17
TEL 03-5726-9985
Mail info@katsuya-susuki-gallery.com
HP  https://katsuya-susuki-gallery.com
東急東横線「都立大学駅」より徒歩5分

[Statement]

私は人工知能と美術をテーマに制作しています。

いまやAIを使用した画像は世界に溢れていますが、私にはそれらが美術における人工知能の可能性を十分に引き出せていると思えません。それは、いわば新たな画材として人工知能を使用しているだけであって、美術において本質的な変化を与えるものではないと思われるからです。

人工知能は人間の美術を捉え直すことのできる鏡であり、その枠組みを拡張することができると私は確信しています。そこで私が行なっているのは、人工知能によって自らの絵を拡張する試みです。

具体的な制作方法としては以下の手順を踏んでいます。

①モチーフを撮影する
②撮影した写真を元に絵を描く
③撮影した写真の一部をAIに変換させ、出力した画像を絵に貼る
④そこからイメージを広げて絵を描き変える

使用する人工知能は、指定した画像の中に別の画像との類似点を見つけるもので、人間の認知では思いもよらない箇所に類似点を発見してくれます。このシリーズにおいては、一枚の画像を部分的にトリミングし、切り取った画像の中に元の画像全体との類似点を見つけさせています。つまり、画家が絵を描くときの、部分と全体を行き来する行為と同じ構造というわけです。

この方法は絵画に作者である私以外の「認識」を取り入れて複数の「認識」の絵画世界を作り上げることから、絵画に複数の「視点」を初めて取り入れたセザンヌをオマージュして、モチーフを選びました。

山口達典

山口 達典 | Tatsunori Yamaguchi

1996年 広島県に生まれる
2020年 広島市立大学芸術学部油絵専攻 卒業
2022年 広島市立大学 大学院芸術学研究科博士前期課程 修了
現在     広島市立大学 協力研究員

[個展]
2024年   「光を浴びて」タメンタイギャラリー(広島市)
2022年 「2199年」TAKU SOMETANI GALLERY(渋谷区)
2021年 「フィリップ・K・ディックは羊の夢を見たか?」gallery G (広島市)

[主なグループ展]
2023年 「沼田料金所前−梅田」芝田町画廊(大阪市)
2022年 「Inch by Inch」タメンタイギャラリー 鶴見町ラボ(広島市)
2021年 「Azure Hiroshima Base 第二期展(広島市)
2019年「1km以内の人物画」Atmosphere(東京)