この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは2026年3月20日(祝・金)より、河本理絵と小原若菜による二人展「隣人の鼻歌」を開催いたします。
2022年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業し、静岡県を拠点に活動する河本理絵と、2019年に名古屋芸術大学美術学部美術学科版画クラスを卒業し、愛知県を拠点に活動する小原若菜。
二人の出発点には共通項があります。それは言葉を選び、他者へ伝えることの難しさ、そしてそのもどかしさによって、それぞれの絵画の世界が広がったという事です。しかしながら、絵の中で「言葉」とどう向き合うかという事については対照的です。
小原の画面には、言葉をもつ存在たちがいます。彼らはそれぞれの思いを、そのままの形で表出することができる。そこには、自由であるための前提としての安心感があります。言葉は抑圧や断絶ではなく、世界をひらく媒介として機能しています。
一方、河本の世界に明示的な言葉は存在しません。画面に立ち現れる者たちは、見ること、聴くこと、そして深く考えることによって世界と関わり、互いの距離を慎重に測りながら、日々の不穏とともに生き抜こうとする緊張感が漂います。そこでは沈黙が単なる不在ではなく、思考の密度を高めるための場として機能しています。
両者の世界が交わることはないのかもしれません。しかし、隣人の鼻歌に明確な言葉がなくとも、その気配がすぐそばにあると分かるように、互いの存在を知っているという感覚は確かにあります。ここでいう隣人とは、絵の中の存在同士であり、隣り合う河本と小原の二人の作品であり、さらには作品と対峙する鑑賞者自身です。
二人の作品の鮮やかな色彩や独特な人間のフォルム、シュールな世界観とあわせて、それぞれの世界がもつ「強度」の違いにも注目して頂きたい今回の河本理絵と小原若菜の二人展。
この機会にどうぞご高覧下さい。
隣人の鼻歌
言葉を隠す
隠した言葉はどこへいくのか
知らない誰かが拾うのか
誰にも見つからずに消えていくのか
はじめからなかったことになるのか
言葉はどこにもいかない
今も身体の内側にいて
自分だけはその存在を知っている
決してなかったことにはできないそれを
自分の方法で外へ放出しなければならない
自分が言葉に溺れないように
ちゃんと息を吸えるように
開 催 概 要
「隣 人 の 鼻 歌」
河本 理絵 小原 若菜
KAWAMOTO Rie OBARA Wakana
会期:2026年3月20日(祝・金)〜4月5日(日)
休廊:月曜日・火曜日
営業時間:12:00〜19:00
(最終日は17:00迄)
〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1−32−17
TEL 03-5726-9985
info@katsuya-susuki-gallery.com
https://katsuya-susuki-gallery.com
東急東横線「都立大学駅」より徒歩5分
河本 理絵 | Kawamoto Rie
【ステートメント】
本を読むこと、絵を描くこと、文を書くことを繰り返している。小説を読むことは自分の中に自分ではない者の物語をもつことである。その誰かの物語は日々更新される記憶の中で私と共に在り続ける。制作の過程で内容が急に方向転換するとき、自分の中の自分ではない者たちが動いているように感じる。それが誰なのかはわからないが、私はその者たちの絵を読みたいと思う。
河本理絵
1999 静岡県生まれ
2022 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業
【個展】
2025
「昨日、小鳥が隠した声を探す」Gallery Dalston(東京)
2022
「two dogs」フリュウ・ギャラリー(東京)
【グループ展】
2025
「そちらの空も青いですか」KATSUYA SUSUKI GALLERY(東京)
2024
「清涼な緑の風が頬を撫でるような感じ」artgallery opaltimes(大阪)
「Dalston group exhibition part7」Gallery Dalston(東京)
「まどろみ」文ヶ学(大分)
2023
「チキソと余白」gallery TOWED(東京)
「interval」KATSUYA SUSUKI GALLERY(東京)
「anywhere but here Ⅴ」フリュウ・ギャラリー(東京)
【受賞歴】
2023
第22回アートギャラリーホーム展 入選
2022
Idemitsu Art Award 2022 入選
2021
第17回世界絵画大賞展 入選
FACE展2021 入選
「ここだけの話」 45.5×38.0cm シーチングにアクリル 2025
小原 若菜 | OBARA Wakana
【ステートメント】
私の作品には、独自の言葉をもつ存在がいます。
それは明確な意味を伝えるための言語ではなく、意味になる前の温度を帯びた感情の震えに近いものです。
かつて私は、自分の感情をうまく言葉にすることができませんでした。その経験から、名前を与えられる前の心の状態に強く惹かれています。
心の深部には、外へ出せずに沈殿していく感情が滞留する“部屋”のような領域があります。
制作とは、その部屋に触れる行為です。
画面に現れる存在たちは、物語を語るためではなく、まだ形にならない可能性そのものとして佇んでいます。私は、内側と外側のあいだに生まれる微かな揺らぎを可視化しています。
小原若菜
1996年 愛知県生まれ
2019年 名古屋芸術大学 版画・平面クラス卒業
個展(Solo Exhibitions)
2022
「写し変える風景」栄三越 ARTE CASA(愛知)
「King of fruits」CO&CO NAGOYA(愛知)
2022−2023
「Confluence_合流地点」Hidari Zingaro(東京)
2024
「温度 -temperature-」織部亭(愛知)
2025
「曖昧模糊」Gallery Monument(バンコク, タイ)
「Room for dream」Gallery VIVI(愛知)
グループ展(Group Exhibitions)
2018
「001展」Studio5e(愛知)
「rhythm of leaves」ギャルリーくさ笛(愛知)
「LOST NECK」Art&Design Center(愛知)
「AN INSPIRING PAIR」キングモンクット工科大学(バンコク, タイ)
「和魂洋才ジャポニズム2018」リンダ・ファレル・ギャルリー(パリ, フランス)
「三大学交流展」名古屋造形大学(愛知)
「大学版画展」町田市立国際版画美術館(東京)
2019
「名古屋芸術大学卒業展」(愛知)
「もうひとつの卒業展」ギャラリー葵丘(愛知)
「Sm:)ey Exhibition」Pleiades Gallery(ニューヨーク, アメリカ)
「選り選り展」Oギャラリー(東京, 銀座)
「Fusion Exhibition」Noho M55 Gallery(ニューヨーク, アメリカ)
「記憶のエピソード 6人の作家」3ta2 gallery(愛媛)
2020-2021
「畳ギャラリー」清須市立図書館(愛知, 清須市)
2021
「窓から覗いて見た世界〜小原 若菜×浦山 輝子〜」Oギャラリー(東京, 銀座)
「View points」芽楽(愛知, 名古屋)
「重なる領域 OBARA Wakana × SURYOKE」ガルリラぺ(愛知, 名古屋)
「ART WEEKEND」Nikko Style Nagoya(愛知, 名古屋)
2022
「GEISA#21」幕張メッセ(東京)
2023
「二人展 Born from prints」ノリタケの森ギャラリー(愛知)
「東海地方若手現代アート特集」松坂屋(愛知)
「PARCO Wall Gallery」パルコ栄(愛知)
2025
「土地を読む」ノリタケの森ギャラリー(愛知)
アートフェア(Art Fairs)
2019
「アートフェアアジア福岡2019」3ta2gallery(福岡)
2020
「ART NAGOYA」ホテルナゴヤキャッスル(愛知, 名古屋)
2021
「ART NAGOYA」名古屋観光ホテル(愛知, 名古屋)
「HANSHIN-Art Meeting」阪神百貨店梅田本店(大阪)
2022
「ART NAGOYA」3ta2gallery(愛知, 名古屋)
2023
「ART NAGOYA」3ta2gallery(愛知, 名古屋)
「神戸アートマルシェ」3ta2gallery(兵庫)
「Infinity Japan」3ta2gallery(台北, 台湾)
2024
「ART FAIR TOKYO」国際フォーラム(東京)
「Art Council」3ta2gallery 幕張メッセ(東京)
「Infinity Japan Contemporary Art Show in Taipei」Regent Taipei(台北, 台湾)
「神戸アートマルシェ」3ta2gallery オリエンタル観光ホテル(兵庫)
「Free Art Fair 台北藝術自由日」(台北, 台湾)
2025
「Art Council」3ta2gallery 幕張メッセ(東京)
「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2025」マリンメッセ福岡(福岡)
2026
「ART NAGOYA」ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋(愛知, 金山)
アーティスト・イン・レジデンス(Artist in Residence)
2024 バンコク, タイ
受賞・入選(Awards & Selections)
2019
「日本版画協会第87回」入選名古屋芸術大学卒業制作展 ヴィーナス賞 受賞
2021
「日本版画協会第88回」入選
2022
「GEISA# 21」 くらやえみ賞 受賞(村上隆氏主催)