この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは2025年2月1日(土)より、河本理絵とマスコマユによる二人展「そちらの空も青いですか」を開催いたします。
見えない物や知らない事など、不確かなことにイメージを膨らませながら、少しの不安を宿しつつ作品へと昇華させる河本理絵。
そして植物や人体などの目に見える対象物の、それを構成するミクロの世界まで観察し、その先にある光や揺らぎによって生じる曖昧な現象を表現するマスコマユ。
それぞれが作品に独特な透明感を宿しながらも、制作へのアプローチ方法が対極にある二人の邂逅。
この機会にどうぞご高覧ください。
空を見上げる。
それは青く見える。
どこかで見たことがあるような青である。
私たちは自分の目でものを見る。
ただ目に映る。ぼんやり眺める。じっくり観る。
私たちは普通では見えないものも道具を使い、研究する。望遠鏡で月の凹凸も、顕微鏡で植物の細胞壁も知っている。赤外線を感知する生き物がいることも、皮膚に包まれた体内の構造も知っている。
宇宙は果てしなく広く、足元に咲く草花の種子は小さい。蝶の羽は光るように美しく、体内には血液が流れている。そして私たちは創造する。
人よりも大きく広い世界と
人の生きる世界と
人よりも小さく細やかな世界と
人が創造した世界。
それぞれの世界の形や構造は全く異なるのか。
どこかで見たことがあるという感じはなんだろうか。
世界は周り、過去の記憶の蓄積と今存在する自分自身の感覚は変わり続ける。
私たちは形の記録を残す。
その形は今ここに在り、
そしてここに在ったものとなる。
あなたは今どこにいますか。
そこには何が在り、何を見ていますか。
そちらの空も青いですか。
開催概要
「そちらの空も青いですか」
河本 理絵 マスコマユ
会期:2025年2月1日(土)〜2月9日(日)
休廊:月曜日・火曜日
営業時間:12:00〜19:00
(最終日は17:00迄)

〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1−32−17
TEL 03-5726-9985
info@katsuya-susuki-gallery.com
https://katsuya-susuki-gallery.com
東急東横線「都立大学駅」より徒歩5分
河本理絵 Rie Kawamoto
【ステートメント】
なぜここにいるのか。本当にここにいるのか。
意識は想像の中に入ることができる。その中は知識や経験、時間の蓄積によって広がっている。逃げ場であり、帰る場所のようでもある。
顔を上げたら窓の外に鳥が二羽いる。鳩と雀と私でちょうど二等辺三角形になっている。手を挙げて合図を送っても反応はない。生身の人間ということを思い出す。肉体は重く、常にここにあり、生きている限り分離せず、ここに帰ってくる。
ふと何かに気づく瞬間がある。
ここにあるべき形、あるはずの形。そしてそれらがぴったりはまる場所を探し出す。そこは美しいようで少しだけ気持ち悪いような、体内で鳥が飛んでいるような感じである。
<p style=”text-align: right;”>河本理絵</p>
1999 静岡県生まれ
2022 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業
【個展】
2022「two dogs」フリュウ・ギャラリー(東京)
<p style=”text-align: left;”>【グループ展】
2024「清涼な緑の風が頬を撫でるような感じ」artgallery opaltimes(大阪)
2024「Dalston group exhibition part7」Gallery Dalston(東京)
2024「まどろみ」文ヶ学(大分)
2023「チキソと余白」gallery TOWED(東京)
2023「interval」KATSUYA SUSUKI GALLERY(東京)
2023「anywhere but here Ⅴ」フリュウ・ギャラリー(東京)</p>
【受賞歴】
2023 第22回アートギャラリーホーム展 入選
2022 Idemitsu Art Award 2022 入選
2021 第17回世界絵画大賞展 入選
2021 FACE展2021 入選

マスコマユ
【ステートメント】
「生物の形」は、研究が進み、細胞の形や働きなど我々の肉眼で見えない部分まで構造がわかっているものも多い。ヒトという動物は、自分たちが本来知覚できる範疇を超えたところまで”知って”いる。
一方ヒトの体で生きている限り、そのサイズや性能を超えた感覚は本当の意味では理解できない。持っている感覚器とその情報を処理する脳がそれぞれ違う以上、鳥が見ている形と魚が見ている形がまったく違うように。
我々が他の生物や自然界を見る・知るとき、どこを「発見」し、何に感動するのか?芸術作品は、ある意味そういった「ヒトならではの視線」の記録だとも言える。そして同じヒト同士であっても、生物や自然物の形に対する認識や生き物への視線は、各々の持つ経験や知識によって変わってくるし、また時代によって変化していくだろう。
私は、ヒトとして生まれ、この現代を生きていることを頭の片隅に置きながら、作品制作を行っている。
<p style=”text-align: right;”>マスコマユ</p>
1996年 東京都生まれ
2019年 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2024年 同大学院美術研究科博士後期課程美術解剖学研究室修了
現在、東京藝術大学大学院教育研究助手、桜美林大学非常勤講師。
2024
個展「足元の硝子色」gallery HANA(下北沢)
あさかぜ賞受賞
個展「ほころびというプログラム」フリュウ・ギャラリー(千駄木)
2023
明日を開く絵画 第41回上野の森美術館大賞展 入選(一次賞候補)
個展「その水が澱むころ」フリュウ・ギャラリー(千駄木)
平山郁夫奨学金 受賞
資料掲載「コケ植物の絵画的考察」『蘚苔類研究』12巻12号
2020
個展「褪せていく血液と変わらない光」ギャラリー美の舎(根津)
シェル美術賞2020 入選
2019
第3回アートオリンピア学生部門 優秀賞入賞
