この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは2026年8月15日(土)より、古西穂波、林香苗武、Jiniの3人のアーティストによるグループ展「spread timeline」を開催いたします。
私たちは、身体をひとつの輪郭として認識しています。しかし、その輪郭は決して固定されたものではありません。記憶や経験、感情、他者との関係のなかで揺れ動き、絶えず更新され続けています。
古西穂波は、身体を支える構造や重力に宿る存在感を立体へと置き換え、林香苗武は、人物の姿を借りながら、言葉にならない感情や時間の揺らぎを描き出します。Jiniは、色彩とフォルムを往還しながら、身体が持つ生命のリズムや運動性を抽象的な絵画空間へと展開します。
三者に共通するのは、身体を完成された像として示すのではなく、変化し続ける現象として捉えていることです。その身体は現実と虚構、過去と現在、内と外を行き来しながら、新たな時間を生み出していきます。
「spread timeline」は、三人の視点が交差することで立ち上がる、ひとつではない時間の風景です。身体は輪郭を越え、時間は一方向ではなく広がりを持ちはじめる。その瞬間に現れる新たな知覚のあり方を、本展を通してご体感いただけましたら幸いです。
[ステートメント]
骨のような線の連なり。肉のような絵の具。血の温もりが、まるで動いているかのように、無数の時間軸の中でためらいもなく同居する。
これらは人であって人ではない何かのようである。
3人に共通しているのは、アニメや漫画といった人工的な自然に触れ、輪郭を見出し、表現を行っているという点である。
簡略化された表現の中では、容姿や正確な骨格などは重要視されておらず、大きな流れに身を委ねるかのような心地よさに支配される。
それぞれの作品は、過去と現在、内側と外側を行き来しながら、新しいまなざしを待っているかのようである。
私たちが身を置く世界のスケールは刻々と変化し、その速度は日に日に早くなっていく。
本展は、3人の作家が表現した身体の軌跡を一つの空間で交差させ、それぞれに異なるバラバラのタイムラインが作用し合う瞬間を捉える試みである。
spread timeline
古西穂波 林香苗武 Jini
会期:2026年8月15日(土)〜8月30日(日)
休廊:月曜日・火曜日
営業時間:12:00〜19:00
〒152-0022 東京都目黒区柿の木坂1−32−17
TEL 03-5726-9985
info@katsuya-susuki-gallery.com
https://katsuya-susuki-gallery.com
東急東横線「都立大学駅」より徒歩5分
古西 穂波 | KONISHI Honami
兵庫県生まれ。現在、東京を拠点に活動。
2020年 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業
2023年 武蔵野美術大学大学院 美術専攻修士課程 彫刻コース修了
彫刻の表面に現れる木目の輪郭線と、光や影によって生じるシルエットとのずれが生み出す揺らぎを通して、物事の多面性や知覚の曖昧さを探求している。作品には幼い頃から観ていたストップモーションからの影響や人物から受け取った印象やその場の環境、連想された舞台や文学などを取り込んだ作品を制作している。
主な受賞歴に、第56回神奈川県美術展 奨励賞、主な個展に「束の間の肖像」(MEDEL GALLERY SHU HIBIYA、東京、2026)、「tune up」(Gallery Merrow、東京、2023)
林 香苗武 | HAYASHI Kanae Takeshi
アーティスト。武蔵野美術大学油絵科卒。未来派から影響を受け、2015年に「速度主義宣言」を発表。2021年の個展「ストロー」(WISH LESS)では神話をモチーフとした作品を展開、以降は物語性のある表現を行う。
イラスト提供の他、近年は五一わいん「défi vin」シリーズのラベルデザインを手掛ける。
Jini
2022年 東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻 修士課程修了
現在 同大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻 教育研究助手
絵画、パフォーマンスを制作するアーティスト。パフォーマンス作品での体験などを手がかりに、「描く」という身振りに着目しながら身体・セクシュアリティの表現を探求している。油絵科を卒業後、アニメーション制作会社でアニメーターを務めた経歴をもつ。フェミニスト哲学の視座から、エレーヌ・シクスーと芸術実践についての研究にも取り組んでいる。アート・コレクティブ (O)Kamemochiメンバー。
[個展]
2025年 「Smudge it, touch it, as if drifting in between. / にじませて、触れて、そのあいだを漂うように。」Goyo Gallery (TERADA ART COMPLEXⅡ、東京)
[主なグループ展]
2025年 「Ballet Meets Art vol.4」KATSUYA SUSUKI GALLERY (東京)
2024年 ATAMI ART GRANT 2024「惡いけど、これはあなたの物(じゃない)です。
/ Sorry, this is (not) for you.」尾崎ランドビル(静岡)
2024年 「Ballet Meets Art vol.3」KATSUYA SUSUKI GALLERY(東京)
2023年 「SHIBUYA STYLE vol.17」西武渋谷店B館8階美術画廊・オルタナティブスペース(東京)
2023年 Jini × Lea Embeli「Generated Alien」YAU Studio(東京)
2022年 Jini ×草薙樹樹「New Species」R for D(東京)
[主な学会発表]
2025年 「ドローイングにおけるエクリチュール・フェミニンの触覚性──エレーヌ・シクスーの”画家のように書く”身振りを手がかりに」表象文化論学会第19回大会、武蔵大学江古田キャンパス(東京)